(嵐の前の静けさが漂うメインストリート。)
まだ始まって間もないせいか、行列もなくボディーマークをしてもらえた。
いつもの通りトランジッションの準備は一瞬で終わり、結構手持ち無沙汰。
プロが6時15分にスタートした後、少しだけウォームアップ。その間に国歌斉唱もあった。
そんで、6時30分丁度に僕のいる第1ウェーブがスタート。
で、それぞれのパートのことは後日改めて個別に書くことにして、スタートから11時間41分してなんとか無事完走。
キャンプの時の感じから遅くとも11時間は切れるやろうと思っていたんやけど、バイクの半分を過ぎたあたりの状況でそれは無理やろうということが分かり、レース中は結構残念な気持ちがあったのは事実。でも、今日の一番大切な目標は笑顔でランを走りきること。
これはこの上なく満足いく形で果たせたと思う。結構な風が吹き付ける中、実際はかなり辛いランではあったんやけど、早々に目標タイムとかいう自分のエゴを綺麗に捨てたお陰で、無事ランまでたどり着けたことと、全身の疲労感以外これと言った身体的なトラブルもなく気持ちよく走れていることで自然にニコニコ笑顔は出て来た。
それにボランティアの人が必死に応援してくれているのに、難しい辛い顔をして走るのはなんか勿体無いような気もした。タイムや順位を気にしない今日は楽しんで走りたかったから。
いつかコナを目指してレースが出来るようになる日がくれば、たぶんこんな感じではないんやろうけどね。(いろんな意味で)記念すべき第一回のチャレンジでの貴重な体験やったと思う。
42キロ走りきった後のゴール前のレッドカーペットはなかなか感動的やった。それにフィニッシュした後、例のフィリックスが一人一人に「おめでとう」って握手して祝ってくれたことには驚いたし嬉しかった。チャレンジファミリーのこのペンティクトンにかける思いがこんなところにも表れてた。素敵なファミリーの一員になれたような気がする。
まあ、こんな感じで走ったので、フィニッシュの後は別段肉体的な問題もなく普段のロングラン後のような感じで、ビッコを引いたり立ち座りが出来なくなるようなことは無かった。結構頑張ったカルガリーハーフマラソンの後の方が足へのダメージはあったような気がする。
フィニッシュの後はすぐにマッサージテントに連れて行ってもらい軽いマッサージを受け、その後はビザやチップスなどお決まりの差し入れ。でも今日は約束通りテオに行くつもりだったので、軽く手を付けただけで我慢した。
しばらくアスリートエリアで佇んでると、辛いランで僕を引っ張ってくれた(というか僕がかってに狙いを定めてた)選手に挨拶をすることが出来たり、僕と何度か抜き合いさし合いの攻防を繰り広げた選手に「良い走りだったね」って声をかけてもらったりして、周りのアスリートと交流することが出来た。
一通り荷物を引き上げてシャワーを浴びて綺麗になった後は、今日のもう一つの目標やったテオに夕飯を食べに行った。心配していたお腹やけど、まあ全く問題なかったわ。注文したのはレース前から決めていたムゥサカ。今日は初めて外食で料理の写真をとってみた。
いつも僕をサーブしてくれるケンは怪我をしてサーバーとしての仕事ができないので、彼が早上がりということもあり、僕の食事の後一緒にワインでも飲もうって誘ってくれた。
僕の食事の後、ケンが以前紹介してくれた「See Ya Later」というワイナリーのボトルを注文し、残ったら持って帰ってねとか言われてたけど、そんな心配は無用で2人ですっかり飲みきってもうた。
途中で僕がチャレンジをフィニッシュしたアスリートだと気付いた他のお客さんが話しかけて来て、「レースの後こんなに食べて飲んでってすごいね」って言われてもうた。たぶんもう少しグロッキー気味であるべきなんやろうね、普通のイメージでは。
何はともあれ、6月に食事に来た時からお世話になって、すごく良くしてくれるケンとこんな風に一緒にお酒を飲むことが出来て、色々な話を出来たのは素晴らしい縁やよね。彼はファーストネイション出身なんやけど、生い立ちも含めて色々話をしてくれた。これからもそんなにしょっちゅう会える中では無いけど、彼が「My Friend」と言ってくれる通り新しい友達が出来たような気がする。
食事の後はカットオフまでいよいよ残り2時間を切ったゴールに応援に。ゴールに向かう間にも1人、また1人とメインストリートを選手が走っていき、その都度僕は精一杯応援してあげた。もはや人影も疎らなメインストリートを歩いたり走ったりしながら帰ってくるのはかなり寂しいもんやろうからね。僅かながらでも残り3キロ分の力を出してもらえるように。
ゴールに着いたら面白い光景が待っていた。あのマークアレンがDJブースに・・・一日コメンテーターをしてくれていたスティーブキングが疲れて交代したのか、マークアレンと若い女の子のコメンテーターが掛け合いでみんなを盛り上げてた。
10分近く選手がゴールに帰ってこない少し寂しい時間を、めちゃめちゃノリノリの彼が首に巻いたレイを振り乱して踊ってみせたり、フィニッシュテープを持ってくれている女の子達の踊りに会わせてラップをしたり、即興で「僕のサイン入りの風船のオーディションだ」とか言って何かしら場を盛り上げて時間を繋いでくれてた。
もちろん回りは大盛り上がり。普段のクールで穏やかな感じとはがらっと違った一面をあんな大勢の人の前で惜しげもなくさらけ出して、このイベントを応援してくれていたマークアレンがいっそう好きになった。
そんな盛り上がりの中で楽しんでいると、なにげに通りかかったのは何と、かのシスターマドンナ。
83才でこの元気。この時点でもう12時近くやったんやけど、すごいわ。ちなみに彼女がバイク担当。恐るべし・・・
最後にシスターマドンナのチームのフィニッシュをみんなで迎えて感動のフィナーレ。
最後まで残ってた人はみんな本当にこのイベントを楽しんだと思う。特にマークアレンのあんな姿を見れただけでもいた価値はあるわ。(と言うことはその場に居合わせたみんなが言ってた。)
そんな彼に最後に挨拶に行くと「上から君のこと見つけたけど、君が自分のレースの後も最後までこうして応援してくれて嬉しいよ」って声をかけてくれた。感激。
フィリックスも最後まで残ってシスターマドンナのチームを迎えてたし、アスリートディナーで挨拶してくれた若いハンサムな副市長も最後まで僕らの輪の中で応援してたし、本当にみんな町を上げて。このチャレンジペンティクトンを自分たちのイベントにしようと思う気持ちがいろんなところから感じられた。
最高に幸せな時間やったわ。今回いろんな思いを込めて出場したこのチャレンジペンティクトンやけど、想像していた以上のものを得られたような気がする。かけがえの無い経験でした。
次は恩返しにボランティアで参加しようかな?
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