2009年9月21日月曜日

Muskoka 70.3 (レポート)

一週間以上間があいてしまったけれど、その間にいろいろ考えたり人と話したりしたことも合わせてレースを分析してみたいと思う。

レース当日は5時起床。前日の夕飯が早かったので、ちょうど良いくらいに空腹に促されて目が覚める。目覚めてすぐの体重は70.4Kgで、最近でいうとベストな状態。朝食はバナナとシリアルを食べ、水分もしっかりとる。レース会場には7時前に着き余裕を持って準備する。Guelphでの練習のおかげでレース前は非常に落ち着いて過ごすことが出来た。レースの様子をいろいろイメージしながらちょうどいいくらいの緊張感と興奮を楽しむ。5時間以上のレースなので、どれだけ自分をコントロールできるかが最重要課題。どれだけ練習をしてきたと言っても何せ初めてのロングコースレースなんだから・・・目標タイムは一応あるけれど、やっぱり無事に完走することは最低限の目標だから。

Swim
スイムは前回のレースよりはsightingもうまくなったようだし、課題だった左呼吸とのバランスもうまくとることができたので明らかに向上していると思う。ただやはりコース取りが今イチで二つ目のターンのあとの長い直線でかなり大回りに泳いでしまったようだった。ジグザグをさけるためにあまり頻繁に方向を調整しなかったのがある意味裏目に出てしまったと思う。まあ、そういったことも今後の経験次第だし、大回りで泳いだにしても初めてのロングコーススイムを36分で泳いだのはまあ悪くなかった方だろう。ただ、泳ぎ終わった後の完走としては、スイムでの疲労はあまりバイクに残らないので、スイムでもっとプッシュしても良かったとは思う。100mあたり1:50は今の泳力からすると平凡なタイムだし、もう5秒ずつ速く泳いでも大丈夫だったと思う。コース取りで1分、ペースをあげて2分は最低でも短縮したいところだ。スイムはA-くらいかな。


Bike
かなりタフなコースだったけど、うわさで聞いていたような絶望的なコースではなかったと思う。ただ自分にとって致命的だったのは、前日にフロントディレイラーを弄ってしまったために小さい方のチェーンリングが使えなくなってしまったこと。レバーをシフトした後に足で蹴ってチェーンをシフトすることはできるようだがその後大きいチェーンリングに戻せなくなるのが怖かったので、最後の10キロの丘までは大きいチェーンリングで引っぱり、最後に小さい方のチェーンリングを最終兵器として使うように作戦を立てる。(コース上でディレイラーを調整し直そうと無意味な努力をしたので、そこで数分タイムロスまでしている。)まあ、今までのトレーニングではかなりな登りでも大きいチェーンリングだけで登ってきてたのである程度は対応できる自信はある。少し軽めのセットのリアスプロケットがこんなところでありがたく思われる。

バイク全体では飛ばしすぎることも無く、うまくペースをコントロールして走れたと思う。60キロ地点まではいくつかペースをあげたくなる区間があったけれど、金さんが言うところの「スピードに蓋をする」という意識で足を回す。結果的にはこれが功を奏することになる。ケイデンスは基本的に100以上。これくらいが僕にはちょうどいい。90だと少し重く感じる。

二つ目のエイドステーションを過ぎた辺りから登り基調のコースになる。ここからがかなりキツいレース展開になる。後からスタートしたウェーブの中で速い選手たちはここら辺から僕を軽く抜いていくようになる。50歳の女性が何の苦もなく僕を抜いていった時は結構ショックを受けた。しかもその女性には2度抜かれることになる(バイクトラブルで立ち往生している彼女を一度通り過ぎたのだが、その後しばらくしてまた何事も無かったかのように僕の横を過ぎ去っていった)。レースの世界は侮れないものである。

さらにだめ押しのトラブルがかなり疲れ気味の僕を襲う。これもフロントディレイラーを乱暴に弄ってしまったためか、走っている最中にチェーンが大きい方のチェーンリングから飛び出してしまった。こんなことは今までの3000キロのトレーニングでは起らなかったことだけど、レースではいろんなことが起るものである。レース前のバイクの調整の大事さが今回は嫌というほど思い知らされる。

バイクトラブルに見舞われいろいろ思うところはあったが、それ以外は基本的に自分の持てる力は出し切れたと思う。ただそのトラブル自体が自分のまいた種だということは疑いの無い事実なので、この点はかなりな減点対象になるだろう。正直なところ満足はしていないが、それらトラブルやコースの厳しさを考慮すると悪くない記録だし、気持ちが切れること無く走りきれたのは十分な出来だと思う。そういったことも含めてバイクもA-くらいの評価にしておく。


Run
バイクで飛ばしすぎなかったことが幸いしたハーフマラソンだった。事前の情報ではムスコカはバイクコースが厳しいことばかり喧伝されていたが、僕にとっては最後のランコースの起伏が最後まで続く21キロが何よりもキツかった。もちろん94キロバイクの後だからという影響もあるだろうが、フレッシュな足で走ったとしてもやはりそんなに速くは走れなかったんじゃないだろうかと思う。

初めの5キロは思った以上に足も軽くて予定通りのペース(キロ5分を少し切るくらい)で走り始めていた。ところがハイウェイから測道に入った辺りから起伏が激しくなり、キロ5分をキープすることさえ難しくなる。8キロ過ぎにある長い登りではもうほとんどジョギング状態で、何とか足が前に出るといった感じ。ついに6分さえも超えてしまった。ただまあ、行きがこの調子なら帰りは下り基調だろうから後半に足を残しておき、10キロを超えた辺りからもう少しスピードをpick upして走れれば良いなと希望は残っていた。

折り返しで先ほどの長い坂を下っている間は良かった。少し気持ちに余裕が出てペースがあげようかとさえ思い始めていた。この辺りでキロ5分半あたり。速くはないがもう少しプッシュできそうな感じはあった。ただこれが全くの勘違いであったことはランコースの下見をしていない僕には知る余地はなかった。ここからのトレイルパートが今まで走った中では一番厳しいコースだった。(レース後にクラブのメンバーと話した中でみんなの意見が一致した点である)次々と襲ってくる起伏の波に何度も気持ちが折れそうになる。ここら辺からはもう目標のゴールタイムや予定のランペースなどはどうでもよくなってきて、とりあえずこのハーフマラソンを歩かずに完走することが最低限の目標に切り替わる。このハーフマラソンを歩かずにゴールしたらご褒美にオークリーのサングラスを自分にプレゼントしてやろう、と自分を励まし続ける(結局このご褒美はもっと安価なIPod shuffleに差し替えられることになるのだが)。

結局そこからは最後までキロ6分を切るどころか7分近くかかってゴールにたどり着くことになった。幸いにも僕の前後には選手がいなかったため、ゴール前の数百メートルは沿道のみんなが僕を応援してくれているように感じることができた。しかもゴールではゴールテープを一人で切ることができた。よくアイアンマンのゴールなどでゴールした選手が高々と掲げている写真があるが、この僕もいっちょまえにそんなゴールができた。それまでの21キロの苦しみなど嘘だったかのように。

ランでは自分の力の無さをしみじみと感じさせられた。今後の課題などは後々書いていこうと思うが、このレースでは現時点の自分のすべてがさらけ出されたように思う。良い点も悪い点も含めて。時間だけを見ると評価はCだと思うしレース直後はかなり自分でも不甲斐無さでいっぱいだった。ただレース後クラブの仲間といろいろ話をして、このランパートで苦しんでいたのは僕だけではなく、みんな足がつったり途中歩いたりしながらゴールしたことを聞いた。そう考えると、初めてのロングコースレースで自分のペースをわきまえ、きちんと走りきったことはもう少し評価しても良いような気もしてきた。そういった意味でも、少し甘いかもしれないが評価はBくらいにしておこう。

まとめ
ゴールでは奥さんがベストポジションで待ってくれていた。彼女の姿を見ると無事に帰ってくることができたとホッとする。5時間45分の長丁場のレース。目標タイムにはおよばなかったけれど、自分のペースを守りblowoutすることも無く、怪我も無くゴール出来たことはトライアスリート一年目の僕にとっては大きな大きな達成である。今後はこれがトレーニング及びレースのベンチマークになってくるだろう。

週末を通してサポートに徹してくれた奥さんには何にも増して感謝している。レース自体ではいろいろ課題は残っているが、レースウィークエンド全体を通しては非常にスムーズに運ぶことができた。奥さんの助けなども考慮して全体での評価はやっぱりAをあげたい。

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