カナナスキス・スキーマラソン、通称クッキーレースはアルバータのクロカンレースシリーズの花形レース。僕が生まれた頃から続く伝統あるレースだそうです。
レースが開催されるのは、クロカンスキーを始めた3年前には何度か練習に来たことのあるピーターロヒード州立公園という、ロッキー山脈の入り口にあたるところ。
レース前日に一泊するために夕方ハイウェイ40を走っているときの景色が、
こんな感じ。夏にはちょくちょく自転車のトレーニングに来るとても素敵なところ。綺麗な空気のせいか夕方の青空に何とも言えない深みがありました。
レースやトレーニングキャンプなどではいつもお世話になっているホステリングインターナショナルやけど、カナナスキスで利用するのは始めて。
この日ドミトリーに泊まったのは僕だけで、このたくさんベッドのある大部屋に僕一人でした。気持ちちょっと怖かった・・・まあ静かでよかったけど。
翌朝は10時レーススタートに向けて宿を8時に出発。朝早くのせいか、
ハイウェイ沿いには普段より大きな野生動物が。
めっちゃ見られてた。
予定通りスタート90分前には会場についてレースの準備。
通販で買った名前入りのステッカーをスキーと、
ポールに張って、気分はプロフェッショナル。日の丸とメイプルリーフは色合い的にも相性バッチリ。
今日のレースは全員クラシック。キッズレースを含む短い部門を合わせると全部で500人以上エントリーしていたそうで、僕の出場する42キロ部門だけでも100人以上。流石花形レースや。
前週の好タイムに気を良くしてか、今日は結構前の方からスタート。
まあどうせ沢山抜かれることになるやろうけど・・・
コースは普段練習しているキャンモアと違い山の中の細めのトラック。
レース前の試走で撮った写真ではこんな感じ。
で、予定通り10時きっかりにスタート。
いやー、振り返ってみてもよく完走したなというくらい、なかなか手強いレースやった。
前週にキャンモアで39キロレースを完走したけど、この42キロレースは比べ物にならないくらい標高差のあるコースで、42キロで700メートルくらいの獲得標高。途中のウィスキージャックトレイルでは6キロの間に300メートル近く一気に登るという激しさ。しかも途中降ってきた湿った雪のせいでスキーに雪の塊がへばりつき、何度も立ち止まって削り落とさないといけない有様。ホンマに嫌になって、途中僕にしては珍しく大声で悪態をついてた・・・
ウィスキージャック攻略に見事1時間かかり、コースの半分を過ぎた辺りで1時間50分もかかってる。今日は3時間はおろか4時間くらいかかって完走することになるかなー、と思いながら後半に突入。
100人ぐらいでスタートしても、その頃には既にまわりには誰もいてない。気持ちがどんどん萎えてきたんやけど、丁度その頃少し前を滑る選手を発見。頑張ったら追いつくかもと思い、気持ちを入れ替えてなんとか滑り続けるよう自分に叱咤激励。
残り10キロくらいのところでその人に追いつくことが出来た。追いついて見てみると、なんとその人は何所からどう見てもおばあちゃん。凄い。若造が泣き言言ってる場合じゃないとさらに気合いが入った。
そこからは自分が前に出て一緒に励まし合ってゴールを目指すことに。最後の登りが続く区間に少し差が開いてしまったけど、あの時気持ちを切らさずに滑り続けることが出来たのはあの人のお陰やろう。
結局、4時間もかかることはなく、始めてのクッキーレースを3時間35分で無事完走することが出来た。
クタクタやったけど、ゴール前にクールダウンしながら流して滑っていると、例のおばあちゃんがゴールイン。
お礼を言って彼女の健闘を称えて、記念に一枚。
シルビアさんというひとなんやけど、調べてみたら60−69歳のカテゴリー。家の母さんと同じ世代やん。さすがにその世代のエントリーは彼女一人で、もちろん優勝。でも、そんなことどうでも良いくらいに本当に心から讃えてあげたい人です。
僕の3時間半という記録は、僕のカテゴリーの出走者18人中の10位。ただ僕の前と後ろにはそれぞれ30分くらい差が開いてるという、結構力の差が激しいカテゴリーのよう。しかもカテゴリー上位4位までが2時間半以内に完走している。まだまだ頑張らないと。
何はともあれ、レースの後はしっかり栄養補給。色んなバリエーションの美味しいスープが振る舞われるとともに、やっぱりクッキーレースというだけあって、
色んな形と味のクッキーが文字通り山盛り。当然レース中のエイドステーションの補給食もクッキー。クッキー大好きの僕にはたまらないイベントでした。
レーススタートの時点では薄曇りといった感じのカナナスキス地方やったけど、レースが終わった時には綺麗に晴れてきてた。
駐車場から見る近くにそびえる山は見事に岩山。ロッキー山脈と名付けられたのはやっぱりこのゴツゴツとした見た目からなんやろうか?